コロナ禍で2度目の緊急事態宣言が発令されたことで、在宅勤務生活を続けている人は多い。夫婦で在宅勤務となった共働き家庭では、四六時中顔を合わせるようになったことで、関係がギクシャクするようになったケースもあるようだ。特に、ずっと家にいるのに「家事をしない夫」への妻の不満は相当なもののようだ。
IT企業で働く40代女性・Aさんは昨年の春から在宅勤務を続けている。メーカー勤務の夫は今年から出勤日がなくなり、完全在宅勤務に移行した。夫婦ともに在宅での仕事になったものの、食事はAさんばかりが作っている。
「ランチを作るのが負担です。自分一人ならパンやおにぎりとかで済ませられるんですけど、夫は『せっかくの在宅勤務だから、自炊で節約』と言う。それならお前が作れよ、って話ですが、自分は『料理苦手だから』とスルー。何で私ばっかり……」(Aさん)
コロナ以前、Aさんは家事も育児も夫からほぼ丸投げされていた。夫がやることと言えば、ゴミ捨てや食器洗い、たまに休日にトーストを焼くか袋麺でラーメンを作るくらいだった。3歳の娘が熱を出し、保育園に行かなくてはならなくなった時も「俺は抜け出せないから、ママお願い」と、すべてAさんが対応しなければならなかった。
そうした状況が、在宅勤務が始まったことで変化した。夫婦で話し合った結果、2人で家事を分担することになったのだ。そのひとつとして、これまでAさんが担当していた子どもの保育園の送り迎えを、夫が担当することになった。とはいえ、料理・掃除・洗濯など、家事のほとんどは、依然としてAさんがメインでやっている。そうした中で、夫は「早く出社したい」と思うようになったという。
「オンライン飲み会で、夫が同僚に家事の大変さを愚痴っているのを聞いてしまいました。夫曰く、『出社できれば“地獄”から抜け出せる』そうです……。夫の言い様だと、私はずっとその“地獄”にいることになるんですけど! ふざけるな! こっちが地獄ですよ!」(Aさん)