非喫煙者はどう思っているのか。IT企業に勤務する30代の男性会社員・Bさんは、喫煙所が減らされて以降、路上で吸う人が目立つようになったのを実感している。
「たばこを吸う人が封鎖された喫煙所周辺に集まっていたり、その周辺が吸い殻だらけになっている光景をよく見るようになりました。歩きたばこも見かけることが増えた気がします」(Bさん)
Bさんは、「議員が吸うのはどうでもいい」と一蹴する。
「そもそもたばこは違法なものではない。国会に喫煙室を作っちゃだめというルールもないのだから、そこは論点ではない。喫煙室の数が多いのも、むしろいいじゃないですか。それなら民間にも、同じようにしっかりと喫煙できる場所を作ったほうがいいんじゃないか、という考えです。どうせ喫煙者はたばこをやめないんだから、吸える場所を作ってあげれば、棲み分けができて受動喫煙防止になる。喫煙者のマナー向上にもつながるんじゃないかと思います」(Bさん)
30代女性のCさんも非喫煙者だが、Bさん同様、喫煙所の設置を訴える。
「本当に“悪い”んだったら、売っちゃダメですよね。私は、たばこのにおいは正直嫌いですが、最近は、飲食店などで分煙されるようになっていて、快適さを感じていたところです。つまり、喫煙所で吸ってくれていたら何も問題はない。それにたばこ税の収入って、莫大なんですよね? もしたばこを禁止して税収が下がって、それを補うために消費税を増税するとなったら、それこそ暴動が起きますよ」(Cさん)
実際、たばこの税収は年間2兆円を上回り、基本的には使いみちが指定されない一般財源。1998年に創設されたたばこ特別税については、国鉄清算事業団の債務処理に充当されている。たばこ税を払っていない非喫煙者も、国や自治体から少なからず“恩恵”を受けていることになる。
コロナ禍で喫煙者も非喫煙者も何かと我慢を強いられるこの時勢。はたして喫煙所は減らすべきなのか、増やすべきなのか──。