パチスロからパチンコに移行するファンも多い
一方で、緊急事態宣言発令中のいまこそが、パチンコ店が空いていて快適だという声も聞こえてきた。神奈川県在住の会社員・Bさん(30代/男性)の話だ。
「最近は、家の近所にある小さめのパチンコ店に通っているんですが、そこが本当に客が少なくて快適。私は主にパチスロを打っていて、その店には他の店にはないようなちょっと古い機種なんかも置いてあるんです。そういう機種を選び放題で打てるのが楽しい。古い機種を打ちたいファンは結構多くて、人気店だと競争率も高く、打てないことが多いんです。夕方くらいにフラっと寄っても、打ちたい機種を打てるというのは個人的には嬉しいです」(Bさん)
そんなBさんだが、「コロナ前に比べて勝てなくなった」とも話す。
「お客さんも少ないホールなので、高設定の台なんて置いていないのでしょう。正直なところ、“負けてもいい”という感覚で打っています。快適な環境で、打ちたい機種を打てればそれでいいということです。ギャンブルというよりも、お金のかかる趣味という感じになってきました」(Bさん)
業界全体は苦境を強いられているものの、一部のファンにとってはむしろ快適でさえある、いまのパチンコ店。今後どうなっていくのだろうか。前出・藤井氏が分析する。
「パチスロについては出玉機能が制限された6号機時代に突入し、射幸性の高い5号機の機種が撤去されたことで、ユーザーが減少しています。多少出玉機能が高まった6.1号機が登場していますが、もう少し厳しい時代が続きそうです。
一方で、パチンコについては出玉スピードが速い機種や大当たり継続率の高い機種など、出玉性能が高いスペックの機種も増えています。また、一定の回転数で当たりを引けなかった場合に“時短”に突入する“遊タイム”を搭載する機種も増えていて、遊びやすくなったとも言える。そのせいもあって、パチスロからパチンコに移行するファンも多いようです。
パチスロが不調な時にパチンコが好調となったり、その逆となったりするのはパチンコ業界ではよくあることで、いまはパチンコ優位の時代と言えるでしょう。コロナ禍での厳しい状況をすぐに打開するのは難しいでしょうが、ユーザーにとって魅力的な機種が今後も登場し続ければ、コロナ収束後に再びユーザーを獲得できる可能性もあると思います」
新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きいパチンコ業界。ユーザーがどう楽しんでいくか、そして、業界がユーザーをいかに楽しませていくか、注目していきたい。