投資情報会社・フィスコが、株式市場の2月15日~2月19日の動きを振り返りつつ、2月22日~2月26日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は、大幅に続伸し大台の3万円を突破した。週明け15日は、米バイデン政権の追加経済対策が成立に向けて一層進展したほか、米大統領が製薬大手ファイザー、モデルナと新型コロナワクチンの追加供給契約を結び全国民の接種分を確保したことなどがリスクオンムードを強め、日経平均は500円超の大幅高といきなり3万円の大台を突破した。景気・業績の改善が確認されつつある中で、イエレン米財務長官が「今こそ大胆な経済対策が必要」との見解を示したことが市場心理の火付け役にもなった。
翌16日も、米国市場が休場のなか欧州株高を追い風に、売り方の買い戻しに拍車がかかり、日経平均は高値で30714.52円まで上値を伸ばした。買い戻しが中心ながらも、年金基金や投資信託といったロングオンリー(買い持ちのみ)の長期筋による買いも入ったとの指摘が聞かれた。
週半ばからは急ピッチでの上昇に伴う短期的な過熱感を冷ます動きとなり、下落基調を辿った。週末19日には3万円をも割り込んで推移する時間帯があったが、押し目買いも入り、再び大台の3万円に復帰、終値でもこれを保持し、下値の堅さを印象付けた。市場でも、後半3日間の下落は健全なスピード調整の範囲内だとする見解が多かった。
個別では、先物主導で大幅高となるなか値がさ株に買いが集まり、ソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>が急伸した。特にファーストリテは株価が10万円の大台を突破したほか、時価総額で「ZARA」を展開するスペインのインディテックスを超え初めてアパレル業界で世界首位となったことが話題に。
そのほか、ワクチン接種が国内でも始まったことでアフターコロナを見据える動きが一層強まり、空運やレジャー、結婚式場などのイベント関連の出遅れ感の強い銘柄が買われた。また、バルチック海運指数や資源価格の上昇を背景に海運業や鉄鋼、非鉄金属なども週前半を中心に上昇した。
一方、米長期金利が約1年ぶりの高水準を付けたことが警戒感を誘い、メドピア<6095>などの医療関連のウィズコロナ銘柄、グロース(成長)株には上値の重いものや売りが嵩むものが目立った。ただ、東エレク<8035>などの半導体関連については、日経平均が3万円を突破するなかで週初は強い動きがみられたほか、利食い売りに押された週半ばを挟んだ後の週末も再び大きく買われるなど概ね堅調な値動きだった。
今週の日経平均は大台3万円台での一進一退の展開が想定される。米国での大規模な追加経済対策の成立を目前に控えるなか、ワクチン接種が先進各国で始まり、マクロ環境は良好だ。先日の決算シーズンで主力企業の力強い業績改善も確認でき、目先は売り材料が見当たらないという状況に変化はない。また、17日に、1月下旬に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表され、連邦準備制度理事会(FRB)が足元の物価上昇は短期的なものとみており、金融緩和は当面維持する方針だと示されたことも支援材料だ。
一方で、日経平均が29000円を達成した後に間髪を入れずに3万円を突破するなど、指数への高値警戒感は一層強まっている。市場では、1990年前後のバブル期と比べて株価収益率(PER)に異常感は見られないといった声のほか、各国中央銀行によって生み出されている潤沢な流動性の存在、株式益回りと債券金利との差(イールドスプレッド)の違いなど、当時とは違って今の株高を正当化できるとする見解が多い。