そうした中、米バンク・オブ・アメリカ(BofA)が16日に公表したグローバルファンドマネジャー調査によれば、世界の景気見通しは調査開始以来で最も強気で、足元の株高が「バブル」という回答は僅か13%にとどまったという。また、現金比率は過去8年間で最低となる一方、株式・商品の配分は10年間で最高となった。弱気派が混在していることがこれまでの株高を息の長いものにしてきたことを考慮すれば、市場が総じて強気に傾いてきたことはやや懸念であり、BofA自身も「弱気になる唯一の理由」と指摘している。
それでも大勢は、財政金融による大規模なマクロ経済政策による下支え、ワクチン接種の進展による景気回復期待の高まり、そして、業績改善の裏付けという要素に基づくリスクオンムードの継続が想定される。ただ、米長期金利(10年物国債)が1年ぶりの高水準となる1.3%台を付けるなど、金利上昇ピッチが速い点には注意が必要だ。ここまでの金利上昇は景気回復に基づく良い金利上昇であることや、期待インフレ率を差し引いた実質金利ベースでは依然としてマイナス圏での低位安定が続いているため、大きく問題視する向きは少ない。しかし、あまりにスピードが速いと、市場の警戒感が一気に高まるため、金利動向には留意が必要だ。
また、今週末26日には、米国の追加経済対策が成立するとの見立てが出ている。実際に成立した後に速やかに現金給付が実施され、個人の懐が潤えば、個人投資家の買い余力の高まりを通じて、更なるリスクオンムードとなり上昇相場に弾みがつくかもしれない。ただ、一方で、これまで経済対策成立への期待感で株価が大きく上昇してきた流れを踏まえれば、政策の成立をもって目先の材料出尽くしと捉えられ、一旦は調整を挟む可能性も十分に考えられるため留意したい。
物色としては、引き続きグロース株とバリュー(割安)株、そして、コロナ禍での打撃が大きい出遅れ感のある銘柄間での循環物色がメインとなりそうだ。循環物色相場の中では、目先の動きに一喜一憂して短期売買をすると、高いところで買い、安いところで売るという失敗の繰り返しに繋がりやすくなるため、これだと思う銘柄を決めたら、ある程度の長い時間を持つことを前提に投資することを進めたい。
また、米長期金利の動向には引き続き要注意だ。ワクチン接種の開始に伴いアフターコロナを見据える動きが強まっている背景もあるだろうが、金利上昇への警戒感もあって、メドピアなどの医療関連、ウィズコロナ銘柄の下げが足元では目立っている。シクリカル(景気循環)要素をもつ半導体関連株などは強い動きが続いているが、米長期金利が1.5%を捉えてくるようだと、ハイテク株を含めてグロース株全体の本格調整に繋がりかねないため注視したい。
今週の主な国内外スケジュールは、22日に独2月Ifo景況感指数、23日に米2月消費者信頼感指数、24日に米1月新築住宅販売、25日に米10-12月期GDP改定値、米1月耐久財受注、26日に日本1月鉱工業生産指数、日本1月住宅着工統計、米1月個人消費支出・個人所得などが予定されている。