法政大学大学院教授の真壁昭夫氏が指摘する。
「日本株は世界の景気に敏感で、世界経済が良くなれば株価が上がる構造がある。そこで海外のヘッジファンドは、新型コロナワクチンの有効性が確認されたことで、世界経済が回復するという見方が広がった昨年11月頃から日経平均の先物を仕込み、そのうえで値がさ株に買いを入れ日経平均をつり上げ、大きな利益をあげたという一面がある。そういうことができる日経平均は、日本市場の株価動向を正確に反映した指標とはいえない面があります。投資のプロはみんなわかっています」
日銀がどんどん買い入れた日経平均連動型のETFにはファーストリテイリングなどの値がさ株が多く組み入れられており、昨年10月末時点で同社の株の約2割を日銀が実質的に保有していると試算されている(日経QUICKニュース、2020年12月10日付)。
菅首相が誇る株価3万円の内実は、「経済の実態を反映していない官製相場」(荻原氏)なのだ。
※週刊ポスト2021年3月12日号