菅義偉・首相が総務大臣時代に推進した放送行政改革に反対し左遷された南俊行・放送政策課長(当時)は、その後、逆に菅氏に目をかけられて情報流通行政局長や内閣審議官を歴任、損保会社顧問を経て昨年6月、NTTドコモの常務執行役員に天下っている。
政権の不祥事に自ら泥をかぶって首相を守った官僚や首相の覚えめでたい官僚が、おいしいポストに就いているのだ。
天下りを受け入れた企業に聞くと、「柳瀬氏は経産省の経済産業政策策定者として豊富な経験を有しており、幅広い経営的視点からの造詣に期待し登用しました。第三者からの依頼は一切なく、当社から依頼した」(NTT広報室)、「南は、総務省において情報通信事業に長年にわたり携わるとともに国際戦略にも造詣が深いことから、当社から常務執行役員への就任を要請したものです」(NTTドコモ広報部)と回答。
山田氏もそのうち「情報通信事業や広報戦略に造詣が深い」とトップクラスの企業から招かれると考えるのが自然ではないか。
※週刊ポスト2021年3月19・26日号