緊急事態宣言下でも1日あたりの新規感染者数の減少は鈍化している。新型コロナウイルス第3波は徐々に収束に向かいつつあるはずだが、劇的に状況が改善されているとは言い難い。この状態で緊急事態宣言が解除されると、再び感染者数が増加に転じる可能性もあり、夏頃に「第4波」がやって来ると指摘する専門家は少なくない。
コロナ禍での新しい生活様式はまだまだ続く。これまで先延ばしにしていた冠婚葬祭に取り掛かるならば、どんな注意点があるのだろうか。
故人のお別れ会は開催できる?
コロナ禍の葬儀は「家族葬」が標準になりつつある。「コロナが収束したら、故人と親しかった方を招いて改めてお別れ会を」と考えていても、先延ばしになっている場合が多いだろう。ナビタスクリニック新宿院長・濱木珠恵医師はこう話す。
「感染が落ち着いている期間であれば、飲食を伴わない会を催してもいいのでは」
さらに、生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏が助言する。
「告別式に来られなかった人に向けて、献花や親しい人による弔辞などのプログラムにするのも手です。飲食なしが寂しければ、参列者に弁当を持ち帰ってもらいましょう。ご高齢の方が多くなるので、“ご無理なさらず”と伝えることも大切です」
結婚式場を手配しても大丈夫?
濱木医師は「参加者が距離を取って着席し、席を移動しないことが徹底できれば、披露宴を行なえる」と話す。ただし、時期には注意が必要だ。
「準備に時間がかかり、夏になってしまう場合は7~8月を避け、それ以降にずらしたほうが安全です」(柏木氏)
柏木氏は「新たなスタイル」も提案する。
「招待者の半数を会場に招き、残りの半数をオンライン参加とする方法もあります。披露宴の食事を自宅に届けるサービスもあります」
引っ越しはしてもいいのか?
4月は就職や転勤などに伴う引っ越しが増える。
「ポイントは引っ越し先との関係です。移動先で感染を広げたり、白い目で見られないために、引っ越し後、近隣へのご挨拶を玄関先で済ませてからは“頻繁に顔を合わせない配慮”も必要です」(濱木医師)
※週刊ポスト2021年3月19・26日号