チェーン店とは思えないクオリティの高さ
ウェブ制作会社で働く20代の男性・Bさんは、学生時代はモスバーガーの大ファンだった。学校に最も近いファストフード店がモスバーガーだったこともあり、足繁く通っていたが、社会人になると、職場の近くにモスバーガーがあるにも関わらず、あまり行かなくなった。
「今は1000円近く出すなら、カフェのランチや居酒屋のランチに行きます。誰かと行く時も、モスは値段はそこそこするのに、やはりファストフードなので、落ち着いて話をするような感じではない。長時間いるんだったらファミレスのほうがテーブルも広いし、ドリンクバーもあるし、席もゆったりしている。ライスバーガーとか好きだったんですが、総合的な理由から行かなくなりましたね」(Bさん)
そうした声がある中で、元来のモスファンからは応援する声も出ている。生保業界で働く20代の女性・Cさんは、職場最寄りや営業先でよくモスに通っている。
「私はモスバーガーをファストフードだとは思っていません。だからマックやロッテリアとか、他のバーガーチェーンと比べるつもりもないし、しっかりした食事ができる場所だと思っています。先日も『とびきりスパイス&デミ 国産燻いぶし豚ロースとチーズ』(販売終了)のハンバーガーを食べましたが、チェーン店でこれだけのクオリティーを出せるハンバーガーはそうないと思う。
素材の産地にこだわっている点もポイントが高い。学生時代はどうしても安いところを優先しがちでしたが、社会人になってからは価格よりも味や健康面を重視するようになって、それ以来ずっとモスのファンです。もちろん値上げは残念ですが、元々、価格重視でファンになっていたわけではないので、今後も通い続けると思います」
モスバーガーは、テイクアウト需要に対応した業態を推進する一方で、「モスバーガー&カフェ」への業態転換を進めており、店舗展開の多様化を進めている。同社は今回の価格改定による売上への影響は「2%程度」と見込んでいるが、はたしてどこまでファンを繋ぎ止められるのか、注目したい。