7月9日、焼肉「牛角」などを展開する外食大手コロワイドが、定食チェーン・大戸屋の子会社化に向けてTOB(株式公開買い付け)を始めると発表。大戸屋の5月の売上高が前年比56.6%減と苦境に喘ぐなかでの再編劇となった。調達・購買業務コンサルタントの坂口孝則氏が解説する。
「大戸屋は店舗での調理でできたてを提供することや、女性が1人でも入りやすいように2階や地下に店舗を構えることで顧客の支持を集めてきた。しかし、コロナ禍で長時間滞在と密を避ける風潮が生まれ裏目に出た。弁当や冷凍食品の販売も始めたが、単独で生き残るのは難しくなったことが背景にある」
外食業界の再編を見通すカギは、業界内で「勝ち負け」が分かれているところにあるわけだ。
テイクアウトが定番のファストフードは、マクドナルドが客数2割減ながら売り上げは伸ばすなど堅調だが、先行きは一様ではない。
「マクドナルドのフランチャイズが地方の企業が多いのに対し、モスバーガーは個人オーナーが多い。“第2波”に際して、資金繰りで個人オーナーが持ちこたえられず、離脱するケースが出てくるかもしれない。ファストフードも明暗が分かれるだろう」(同前)