キャリア

コロナに夢を奪われた人たち 新卒採用ゼロ、スタート前に頓挫、事業凍結…

憧れのCAになるために努力を続けてきたが「採用ゼロ」に直面して…(イメージ)

憧れのCAになるために努力を続けてきたが「採用ゼロ」に直面して…(イメージ)

 昨年4月に、新型コロナウイルスで1回目の緊急事態宣言が発出されてからまもなく1年が経つ。コロナ禍はいまだ収まる気配がなく、多くの人の生活に影響を与えている。経済的に苦しんでいる人も多いが、人生設計において「夢を奪われた」という人も少なくない。

 東京都八王子市に住むMさん(20代/女性)は、4月から大学3年生。都内の名門私立大学に通う彼女は、小さい頃からある職業に憧れていた。

「母親が沖縄出身で、年に1度、母の故郷に行くのが恒例行事でしたが、私は飛行機が怖くて、いつも泣いてばかり。しかしCA(キャビンアテンダント)の方がいつも優しくしてくれるので、いつしか飛行機嫌いも直り、CAに憧れるようになりました」(Mさん)

 CAは語学力が必須。大学では英語が学べる学部を選び、大学に通いながらCAを目指す専門学校にも通っているが、コロナのせいで雲行きは一挙に怪しくなる。

「大学に入った頃はちょうど外国人旅行客がすごいペースで増えている時期で、両親もCAを目指すことを応援してくれていました。しかしコロナの影響で、来年は大手航空会社の新卒採用は無さそうで、親からは『諦めて別の業界を受けろ』と言われています」(同)

 Mさんはまだ夢を諦めていないが、CAはただでさえ狭き門。新卒で入れなければ不利になると、Mさんの焦りは募る。また、CAと並んで興味があった旅行業界も同じく採用を見合わせる企業は多い。Mさんは今、どの業界を目指せば良いのか途方に暮れている。

外国人客向けのペンションを契約したが…

 京都市に住むTさん(40代/男性)は夢とお金を失った。

「私は10代から20代にかけてバックパッカーとして世界を放浪し、帰国後はバックパッカー向けの宿を運営するのを夢見てきました」(Tさん)

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