上海総合指数は少し長い期間を見れば、まだ、出遅れ感がある。NYダウが過去最高値更新ペースであるのに対して、上海総合指数は年初来高値に達しないばかりか、昨年6月12日の高値5178.19ポイントと比べると、39.6%安い水準にある。
需給要因として、深セン・香港・ストックコネクト(※)の開始発表が間近にせまっている。深センA株に対して買い材料となるのは当然だが、市場に資金が入ることで循環物色が進む。結果的には上海A株に対しても、好材料といえよう。
【※深セン・香港両市場間の相互取引。海外個人投資家は、これまでQFII(適格海外機関投資家)に限られていた深セン市場への投資が香港経由で可能となる。上海・香港間の相互取引は2014年に導入済み】
今後の上海総合指数は、年初来高値近辺の3500ポイントあたりを目標として、上昇トレンドを形成する可能性が高いと予想する。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。