ただ、あなたの飼っている爬虫類が、類型的に迷惑をかける恐れのある種類かが問題です。蛇やトカゲを気味悪がる人は少なくなく、蛇が逃げ出せば、パニックになる居住者もいるはず。とはいえ、契約で爬虫類の飼育を明示的に禁じている例もあるのに、元々の契約書で「犬・猫」と限定的に表現したのはオーナーの失策です。
あなたは爬虫類を飼育できると信頼し、契約したのです。そこで飼っている爬虫類が大人しい種類で、人や物に危害が及ぶ恐れがないことや万全の態勢で飼育している点を説明して理解を受け、いま飼育している爬虫類限りを条件に交渉してみてはいかがですか。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2021年4月9日号