住まい・不動産

物置になりがちな元・子供部屋 子供の独立後はどうすべきか

元・子供部屋を物置代わりするのではなく、自分たちのために有効活用を(イメージ)

元・子供部屋を物置代わりするのではなく、自分たちのために有効活用を(イメージ)

 まだ働き続けるのが当たり前の時代とはいえ、60歳は大きな転機だ。年金受給が始まる65歳までを食い繋ぐために、再雇用などで会社勤めを続ける人は多い。

 慣れ親しんだ職場で働けることをメリットと感じて選択しがちだが、元部下が上司になるなど、社内の人間関係で複雑な思いをする場面もある。ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏はこう言う。

「安定した収入だけを考えれば、再雇用はいい選択肢ですが、バリバリ働くわけではない60歳以降は、心理的な満足も大切です。収入が減ることを覚悟したうえで退職して、新しい環境に身を投じたほうが、充実した生活を送れることはあります」

 戸建てのマイホームの行く末も、考えておきたい時期になる。子供の独立後、整理するタイミングを逸して子供部屋を物置代わりにしてしまうケースは多い。生前整理アドバイザーの水野久美子氏はこう助言する。

「子供は『適当に整理してくれ』くらいに考えているものなので、親が主導すると良い。帰省に合わせて箱を用意し、『これに収まるだけ大切な物を入れなさい』と言えば、不用品が片付きます。その後は子供部屋を改装して趣味の部屋にするなど次のステージに移るチャンスにできます」

 夫婦2人暮らしに相応しい規模の住宅に住み替える選択もある。

「戸建て住宅は築20年を過ぎれば価格が下げ止まるので、それ以降は急いで処分する必要はありません。

 ただ、年数が経つといろいろとガタがきます。毎年の出費で考えると、固定資産税のほかに維持費がかさむことになる。10~15年ごとに外壁の塗り替えや給湯器の交換・リフォームが必要になります。エアコンなどの耐久消費財の買い替えも付き物。それらの維持費用としては10年で200万円は見積もっておく必要があります」(森田氏)

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