衣類大手のしまむらが、コロナ禍でも増収増益で絶好調だ。2021年2月期の売上高は前年比で4%増の5426億円、純利益は同99.3%増の261億円と約2倍に増加した。自社開発ブランドの強化のほか、リラクシングウェアやインテリアなどの売上増が貢献した形だ。
その好調な業績を裏付けるように、3月25日にオープンした「しまむらさいたま新都心店」では、最大規模の新店舗とあって約300人が列をなしたとも報じられている。しまむら好調の要因はどこにあるのか。しまむらをこよなく愛する“しまラー”たちの声から、その魅力を探った。
60代の主婦・Aさんは、25年以上もしまむらを愛用している。これまで、しまむらより価格帯の安いカタログ通販を利用したこともあったが、自然と購入はしまむらになることが多かったそうだ。Aさんにとって、しまむらは今もおしゃれには欠かせない存在で、特に欲しいもの、必要なものがなくても店に通うことが楽しみだという。
「何かが欲しいから買いに行くという感覚ではないんです。ふらっと買い物のついでに立ち寄って、掘り出し物を見つけるのが宝探しみたいで楽しい。特に実際の価格よりも高く見えるものを見つけられると、嬉しいですね。3000円のコートでも、1万円くらいに見えるものもあるんです。昔に比べてデザインも品質も上がったと感じています」(Aさん)
Aさんが住む街には、しまむらの徒歩圏内にユニクロや衣料品を揃える大型スーパーも存在するが、「やっぱり、しまむらが一番」だと言う。
「しまむらは昔から、レディースではSSサイズから4Lサイズくらいまでサイズ展開していて、幅広い体型の人に優しい。私も体型の変化があるので、お世話になりっぱなしです(笑い)。しまむらは、同じデザインが少なくて入れ替わりが早いので、すぐに3~4割引きになり、値引きの上に値引きが重なることも。だから“いいな”と思った服は、すぐに買わないと在庫がなくなることもよくあります。ユニクロもいいのですが、4割引きみたいな、ものすごいセールはない印象。GUは若者だらけだし、結局しまむらが一番落ち着きます」(Aさん)