コロナ禍のステイホームで、とくに影響を受けたのが主婦なのではないだろうか。夫や子供が家にいる時間が長くなり、主婦の仕事は二極化しているという。これまで以上に亭主関白が浮き彫りになった家庭と、家事をシェアする機会が増え、主婦の負担が減った家庭に分かれたのだ。
家事研究家で、『なぜ妻は「手伝う」と怒るのか 妻と夫の溝を埋める54のヒント』の著者、佐光紀子さんが語る。
「外出自粛を余儀なくされるようになったことで、それまでは日中は家にいない“お客さん”だった夫が家にずっといるようになった。そのせいで、家事のマネジメント業務が増えた主婦は少なくありません。
一方で、この期間に家事に参加するようになり、“お客さん”からようやく“家族”に変わった夫も増え始めています」
主婦が日々、家の中でこなさなければならない仕事は無数にある。事実、男女問わず多くの人が、コロナ禍で「家事の負担が増えた」と感じていることがわかった。
その影響もあってか、掃除、洗濯、料理、買い物といった昔ながらの家事は、科学技術の発達やさまざまな家事代行サービスの登場によって様変わりしている。なかには、近い将来絶滅を迎えるものすらあるかもしれない。
家事シェア研究家で、NPO法人tadaima!代表の三木智有さんが指摘する。
「5年後に専業主婦が完全になくなっているとは思いません。ただし、家事のハードルは年々下がっていて、5年もすれば主婦の負担が減ることは間違いない。“家事は女の仕事”などという古い価値観も減り、家事の分担や外注は当たり前になっているでしょう」
家事はもはや「主婦の仕事」ですらなくなるかもしれない。