投資

定年後の「年金投資」は失敗すると後の祭り やっていいこと・いけないこと

定年後の資産運用をどう考えるか(イメージ)

定年後の資産運用をどう考えるか(イメージ)

 公的年金はいわば“終身保険”だが、老後を支えてくれるはずの年金の使い途を誤り、生活するだけで精一杯になってしまう人は少なくない。というのも、「年金は死ぬまで入ってくるから」と、受給と同時に使い切ってしまう人が少なくないのだという。

 もらった年金を大きく増やそうと資産運用に回すのも注意が必要だ。静岡県在住の三輪好美さん(69才・仮名)は、現役時代の貯蓄と退職金があるのをいいことに、年金をすべて株式投資に回していた。

「大きく増やして、いつかは夫とクルーズ船で世界一周旅行でもできたらいいな、と考えていたんですが、たまたま持っていた業種の株がコロナショックで暴落してしまいました。せっかく受け取ってきた年金はゼロになったも同然だし、退職金も含めた貯蓄を取り崩して生活しなくてはいけなくなっているし、海外旅行なんて夢のまた夢です」

「年金博士」こと、社会保険労務士の北村庄吾さんによれば、年金は、株式投資などの元本割れリスクの高いものには投資してはいけないという。

「リスクもよくわからずに大きなリターンを期待して不動産投資などを始めるのも、やってはいけない。実は、高齢者がよく引っかかる詐欺は“投資まがい”のものが多いので、貯蓄のあるなしにかかわらず、くれぐれも気をつけてください。

 そもそも、投資は時間軸が最も大切。たとえば、20代なら定年までに時間があるので失敗しても取り返す時間がありますが、高齢になってから始めると、肝心の時間がなく、もし損したら、取り戻すための時間がないのです。どうしても投資したいなら、資産の1割程度にとどめるなど、仮にゼロになっても問題ない範囲内でやるべきです」(北村さん)

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