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同居する80代父が自転車事故で警察沙汰 ケアできない共働き夫婦の嘆き

老親の事故リスクにどう備える?(イメージ)

老親の事故リスクにどう備える?(イメージ)

 家族に迷惑をかけない死に方をしたい――歳を重ねるほどに多くの人に共通する願いだろう。しかし、それを実現するのは思っている以上に困難が伴う。認知症になると懸念されるのは“他人に迷惑をかけるリスク”だ。

 千葉県在住の50代男性は、警察からの電話で「お宅のお父さんが事故を起こしました」と告げられた。

 同居する80代の父親は、物忘れが多くなり散歩から自宅に帰ってくるのが遅くなることが増えた。その矢先だった。

「自転車で家を出た父がフラフラと蛇行し、道端に停車中の乗用車にぶつかって車体に傷をつけたとのことで、あとになって修理代15万円を請求されました。警察の連絡があった時は、誰かに怪我をさせたのではないかと肝を冷やしました。心配はしていたものの私も妻も共働きで忙しく、四六時中行動をチェックするわけにはいかない」

 2007年に愛知県大府市で、徘徊中に列車にはねられて死亡した認知症の男性の長男が、鉄道会社から約720万円の損害賠償を求められた事故は、介護を担う全国の家族に大きな衝撃を与えた。介護アドバイザーの横井孝治氏が指摘する。

「認知症による損害賠償トラブルに対処するには、自治体主導の『公的認知症保険』に加入するといいでしょう。無料で入れて最大3億円まで補償をしてくれる自治体もあります」

認知症の母の銀行口座が凍結され…

 認知症を患うと、子供を巻き込んだ「財産トラブル」も発生しやすい。栃木県の60代自営業男性は、自宅から車で数分の場所に80代になる母親がひとり暮らしをしている。妻が母親宅に通い、身の回りの面倒を見ていた。

 だが、母親が認知症になり、年金が振り込まれる銀行口座の暗証番号がわからなくなった。男性が語る。

「銀行の窓口で、『母が認知症になって暗証番号がわからない』と伝えると口座を凍結されると聞きました。今のところ、介護費や医療費などはとりあえず立て替えていますが……。いつまでこの生活が続くのか心配です」

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