子供が介護を担う場合、口座凍結は切実だ。今年2月、全国銀行協会は預金口座を持つ人が認知症になった場合、「親族などが代理で引き出す」ことについて、加盟行に対して柔軟な対応を求める指針を出したが、具体的な運用がどうなるかはまだ不透明だ。前出の横井氏が解説する。
「親族が委任状を用意するなど、代理で財産を管理するのは多くの手間がかかります。そこで、成年後見制度を利用する手もありますが、費用が高い。親に判断力が残っているうちに口座のある金融機関で『代理人カード』を作成すれば、銀行口座が凍結されても親の預貯金を管理できます。まずは代理人カードを作りましょう」
主な対応策を表にまとめたが、早めの対処が肝要となる。
※週刊ポスト2021年5月7・14日号