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退職金の税金「得する常識が変わるかも」 定年前50代男性の大困惑

税金の額が異なることで制度変更議論の俎上に

 一方、年金(分割)方式を選ぶと、公的年金などと合わせて、雑所得として“月収”にカウントされてしまうため、月々の所得税・住民税の支払いが増えるうえ、健康保険料や介護保険料まで高くなるケースがある。

 企業によっては、年金方式で受け取ることによってその間の運用利回りがプラスされることもあるので、自分が勤める企業の制度を確認したうえで、専門家の助けを借りながら一時金がいいか、年金方式がいいかシミュレーションするのが望ましい。

 また、一時金の控除額は「勤続年数」に比例するため、転職経験のある人も計算の際に注意が必要だ。

 加えて、前出のAさんが懸念するように、退職金の受給までまだ時間のある若い人は「制度変更」の可能性にも留意したい。一時金か、年金かで税金の額が大きく変わることが “不公平だ”として、議論の俎上に載せられているのだ。令和2年度の与党税制大綱では、〈現在の退職給付は一時金での受け取りが多いが、(中略)給付が一時金か年金払いかによって税制上の取扱いが異なり、給付のあり方に中立的ではないという課題がある〉と言及されている。

 制度変更が実施される可能性にも注視しながら、自分に合った受け取り方を選びたい。

※週刊ポスト2021年6月1日号増刊『週刊ポストGOLD 2021改訂版 あなたの年金』より

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