通勤手当は定期代などに充てるものなので、テレワーク導入によって消滅しても、社員は“減給”とは受け止めないだろう。むしろ、標準報酬月額の等級が下がることで保険料が減るので「手取りが増えた」と理解されることもあると考えられる。ただし、それが長く続くと、将来の年金収入に影響が出るわけだ。
標準報酬月額と将来の年金額の関係は、加入時期や生年月日などによっても変わってくるため計算が複雑だが、標準報酬月額が4万円(2等級)下がった状態で20年働くと、将来の年金は年額で数万円減ることになる。10年、20年と積み重なることで、老後の収入に100万円単位で違いが出てくる可能性があるのだ。
※週刊ポスト2021年6月1日号増刊『週刊ポストGOLD 2021改訂版 あなたの年金』より