そんなAさんは、現在もゲームに課金しているものの、月額5000~1万円にセーブできるようになったという。Aさんは、「プレイと課金を共存させる道を選んだ」と言い、課金に依存しないゲーム1作を、細々とプレイしている。脱・廃課金には、ある“リハビリ”が功を奏したという。
「気が付くと、生活面でガチャ以外にお金をかけなくなっていたことに気づいたんです。そこで、試しに1万円の家電をめちゃくちゃ悩んだ末に買ってみたら、ものすごく気持ちが充足したし、生活が豊かになりました。同じ1万円でも、ガチャならためらいもなく出していたのですが、ただお金を“捨てた”感じしか残らない……。感覚が異常になっていたことを痛感しました。金銭感覚の“バグ”を修正することが大事でした」(Aさん)
彼女から「2次元か私か、どっちを選ぶの?」
課金をまったくしないで「課金絶ち」したという人もいる。IT企業に勤める20代の男性会社員・Bさんだ。当時、課金のしすぎで家賃が払えなくなり、恋人の家に転がり込んだうえ、ゲームに課金し続ける「クズみたいな男」だったと振り返る。
「手取りが月に20万円くらいなのに、25万円課金することもありました。そんなことが何か月も続いて貯金も底をついてしまい、彼女の家に住み付いてスマホゲームに熱中。画面の向こうの“彼女”が可愛くて、複数のアイドルや音楽ゲームで“浮気”していました」(Bさん)
2年間で課金額は約400万円ほどに膨らんだ。その頃には会社に給料の前借りをするようになり、職場にも異常な課金がバレていたという。その状態で“リアル彼女”とは婚約していたというから驚きだ。ただ、Bさんと恋人は同じ会社で働いていたことから、自然と彼女の耳に入り、リアルな修羅場を迎えることになった。
「『2次元か私か選んで』と突きつけられました。ゲーム内の“推し”と別れるか、婚約破棄かを迫られたわけですが、そこはリアル彼女を選びました。そして彼女の立会いのもと、アプリをアンインストールすることに。400万円が一瞬にして消えました……」(Bさん)
ゲームをしなくなってから、“400万円の重み”に気づかされることが多くなったというBさん。結婚式や旅行、自動車、新居の頭金など、「もし、あのお金があれば……」と後悔することが増えたという。現在は“禁断症状”に耐えながら、リアル彼女への恩返しを計っている。