ゲームセンターやスーパーなどに設置されるアーケードゲームとして知られる「クレーンゲーム」。最近ではインターネットで遠隔操作し、獲得景品が自宅に届くオンライン版が登場、人気を博している。フリーライターの吉田みく氏が、同ゲームにハマり多額のお金を注ぎ込んだという30代男性に話を聞いた。男性によると、ハマった理由は「景品欲しさではない」という。何があったのか。
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「自宅でできる楽しみを探している時、出会ったんです。取れそうで取れない……。そうなると、僕、ヒートアップしちゃう性格なんですよね」。千葉県在住の飲料メーカー勤務、熊谷大地さん(仮名・32歳)は、オンラインクレーンゲームにハマりすぎてしまったことを後悔していた。
オンラインクレーンゲームとは、インターネットで遠隔操作するクレーンゲームのこと。通信環境が整っていれば遊ぶことができるため、コロナ禍の娯楽の一つとして人気を集めているようだ。
年末、筆者自身もオンラインクレーンゲームに挑戦した。2回ほどプレイして景品獲得とはならなかったが、ほかのプレイヤーが獲得している姿を画面で見て嬉しい気持ちになったことを覚えている。オンライン上ではプレイ画面を共有することができるので、実際にプレイするだけでなく、他者のプレイを観覧して楽しむこともできる。
熊谷さんのオンラインクレーンゲームデビューは約半年前。自粛生活で時間を持て余している時に出会ったという。最初のうちはログインボーナスでもらえる無料プレイの範囲で楽しんでいたものの景品が獲得できないモヤモヤが募り、気づいたら1万円分のポイントを購入していたそうだ。
「景品が欲しくてプレイしていたと思っていましたが、本当は違ったようです」(熊谷さん、以下同)
定期的に景品を獲得できるようになり始めたあたりから、熊谷さんのプレイを観覧する人の数が気になり始めたという。その数は景品獲得に近づけば近づくほど増えるそうで、10人を超え始めると気持ちの高ぶりが抑えられなくなってしまうと話していた。