国際問題では、アメリカが中心となって進める対中包囲網に対して、クワッド(日米豪印)の一角であるオーストラリアに強い態度を示すなど、対抗措置を取り始めた。その背景には、アメリカによるデカップリング政策による悪影響を吸収できるといった自信が中国にはあるからだろう。
新型コロナ対策にもたつき、オリンピック開催に拘泥する日本にとって、足元の景気は不安定で、見通しも不透明だ。このタイミングで、強気に出る中国との対立を深め、貿易関係に支障をきたすことは避けたいところだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動中。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。