クックパッドが5月7日に発表した2021年12月期の第1四半期(1~3月期)決算は、売上高は26億2300万円(前年同期比4.7%減)、営業損益3億4600万円の赤字(前年同期1億9100万円の黒字)、最終損益は3億4900万円の赤字(同1億3800万円の黒字)と、減収・赤字転落となった。プレミアムサービス会員が前年同月比で2.4万人減少するなど、国内レシピサービス会員売上・広告売上減の影響も大きかったという。
コロナ禍の巣ごもり生活で自炊をする人は増えており、レシピの需要はますます高まっているようにも思えるが、なぜユーザー減少となっているのか。実際にコロナ禍で「クックパッドを使わなくなった」「他のレシピサイトや動画を見ている」というユーザーの声から、その背景を探ってみたい。
「コロナで自炊するようになりましたけど、クックパッドは見ていません。もともとYouTubeが好きでよく見るので、その延長線上で料理動画を探します」
そう語るのはメーカーに勤める30代の男性会社員・Aさんだ。料理初心者のため、テキストや写真だけではわかりづらい手順や分量は、「動画だとすごくよくわかる」と言う。それも素人ではなくプロによる解説なら「失敗しない安心感」もあるようだ。
「時間がある時はプロや料理研究家の人が解説するYouTube、時間がなくてサッと作り方だけを知りたい時は『クラシル』を利用しています。最近のお気に入りは、基礎を解説してくれる『白ごはん.com』。料理が苦手な人でもテキストと写真、動画で理解できるような構成が気に入ってます」(Aさん)
アパレル業界で働く20代女性会社員・Bさんは、クックパッドの有料会員だったが、昨年末に解約。レシピにお金を払うことに疑問を感じるようになったという。
「月額300円くらいなんですが、毎日使っているわけではないのにもったいないと思うようになって。無料でレシピを見られるサイトはいくらでもありますし」(Bさん)