そんなBさんが現在、料理の参考にしているのは、企業の公式レシピサイトだ。特にキユーピー、キッコーマン、ミツカン、味の素など、調味料メーカーのレシピサイトがお気に入りだという。
「詳しく解説してあって、わかりやすい。公式ならではの安心感もあります。それ以外だと、料理研究家リュウジさんの『バズレシピ.com』をよく見ますね。SNSでバズったレシピがまとめられていて、しかも無料。これだけ無料で良質なコンテンツがあるわけだから、わざわざレシピのためにお金を払う必要はないな、と思うようになりました」(Bさん)
IT企業に勤める40代の女性会社員・Cさんは、レシピサイトや動画、本などさまざまな媒体を活用した結果、「レシピは動画よりもサイトや本の方が必要な情報を得やすく、調理中の確認にも便利」だという。クックパッドを利用していた時期もあったが、「いつの間にかあまり見なくなった」という。
「クックパッドは、結局作る“個人”に依存するレシピなので、味のバランスや分量が人それぞれ。また、一つの料理に似たようなレシピがたくさんありすぎて、結局どれがいいのかわからなくなる。自分の好みに合ったレシピを見つけるのが面倒になりました」(Cさん)
ただCさんは、今でも完全にクックパッドから離れたわけではないという。特に「残り物活用」の時は、クックパッドを重宝しているという。
「どうしても残ってしまったもの、例えば中途半端なカレールーとか酒粕といったものを活用したい時、いろんな人のアイデアに、なるほどと思うことがあります。もちろん、そういう時も分量なんかは目安に参考にする程度ですが、『こういう手もあるんだ』という新たな発見もあります」(Cさん)
少し前まで、レシピといえば、クックパッドという時代もあったが、今やネット上には様々なレシピサイトや動画があふれている。コロナ禍で自炊する人たちが増えている一方で、ユーザーたちの選択肢も多い現状、クックパッドならではの魅力をどこまで打ち出せるかが復活のカギを握っているのではないだろうか。