先行き不透明なコロナ禍では、少しでも出費を押さえておきたいのが本音だろう。「Pontaリサーチ」が今年2月に発表した調査では、「節約したい」派は63.7%で、前回の調査(2020年12月)より5.8ポイント増加。節約志向がより強まっていることもうかがえる。とはいえ、そんな強い思いとは裏腹に、節約のやり方によっては続かないこともある。
節約好きな人や実践している人がおすすめしてくれても、当然ながら自分に合わないものも存在する。節約を挫折した人たちに、どんな節約が向いてなかったのか、体験談を聞いた。
広告代理店で働く30代の男性会社員・Aさんは、筋トレ好きの友人から聞いた「ジムを風呂代わりにすれば節約になる」という言葉に「なるほど」と思い、実践してみたが、結局続かなかったという。
「ジムに通えば健康的になれるうえ、そこでシャワーを浴びれば、水道代やガス代を節約できて一石二鳥という理屈です。確かに一理あるなと思いました。在宅勤務で運動不足だったし、水道光熱費も増えていたので、友人の意見を取り入れました」(Aさん)
早速、自宅から徒歩10分の場所にある24時間営業のジムに入会したAさん。会費は月額7000円ほどで、「少し高い」と感じたが、友人の「月3000円は浮く。実質ジムは4000円」という言葉を信じた。最初のうちは節約できた気がするものの、次第にコスパに疑問を感じるようになった。
「確かに毎日のように通えば、節約効果はあるかもしれません。ただ、通えば通うほど、ジム用のウェアや靴下、タオルなんかを洗濯する頻度は当然増える。元々筋トレのために通っているなら気にならないのでしょうが、僕は『節約』を期待したので……。