住まい・不動産

家の売却の落とし穴 リフォームすれば高く売れるわけではない

リフォームが売却の足枷になるケースも(イメージ)

リフォームが売却の足枷になるケースも(イメージ)

 家を売ろうと考えたとき、誰もが少しでも高く売りたいと思うだろう。築年数が古くても、内装をリフォームして設備を新品同様にすれば、高く売れるはずと考える人も多い。だが、住宅ジャーナリストの山下和之氏はこう話す。

「築20~30年になると、キッチン・バス・トイレなどの水回り設備の交換時期となり、800万円程度の費用がかかることがあります。築30年を超えた物件では1000万円以上のフルリフォームが必要になることも。しかし、“リフォームすれば家が高く売れる”という単純な話ではありません」

 都心まで電車で30分の通勤圏にある自宅を、2500万円で売りに出した64歳男性が語る。

「売りに出した当初、内覧の申し込みはあっても買い手がなかなか決まらなかった。浴室やキッチンが古い印象を持たれて敬遠されているのではと思い、200万円かけて水回りをリフォームし、その分を上乗せした2700万円で売りに出しました。しかし、近隣の相場より高くなったことで、逆に内覧の件数さえ減ってしまった。その後、2500万円に戻しましたが、まだ売れません」

 不動産ジャーナリストの榊淳司氏が指摘する。

「遠隔地の老朽戸建ての場合、印象をよくすることが目的のリフォームでは、投じた費用以上に高く売れることはほとんどありません。むしろ、改修内容が買い手の趣味に合わないという理由で、売れるチャンスを逃すことにもなりかねない。それならば、そのままの状態で価格を安くしたほうが売れる可能性は高まります」

 リフォーム後、売却せずに賃貸物件として貸し出す選択肢もあるが、注意すべき点がある。

「住宅ローンが残っていないことが大前提です。ローンを返済しながらの賃貸経営は、万が一、借り手が見つからなかった時に、大きなリスクを抱えることになります」(山下氏)

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