住まい・不動産

家を売る際に知っておきたい 仲介業者による“囲い込み”を避ける方法

仲介業者のペースに乗ってしまうと…(イメージ)

仲介業者のペースに乗ってしまうと…(イメージ)

 家を売ろうと考えたとき、仲介業者選びは、事の成否を左右する重要な要素だ。不動産取引は特に専門的な知識を要するため、慎重を期したい。どんな点に気をつけるべきか。不動産ジャーナリストの榊淳司氏が指摘する。

「家を売る場合に最も注意すべきは仲介業者による“囲い込み”です。物件情報を市場に出さず、買い手を自社の顧客の中から見つけようとする手段で、業者はこれにより売主・買主の双方から仲介手数料を得ようとします。これをやられると狭い範囲でしか買い手が探せず、価格も安く叩かれる恐れがあります」

 実際に“囲い込み”に遭い、家を買い叩かれたという68歳男性が語る。

「仲介を依頼した大手販売業者は、こちらが希望する2500万円では『とても売れない』と、売値を2000万円に下げる提案をしてきました。周辺相場よりかなり安いが、それでも買い手が現われず、1800万円まで下げたところでようやく別の不動産業者が手を挙げた。

 ところがその後、物件を購入した不動産業者が2700万円で私の家を売りに出したんです。地元の不動産業者から漏れてきた話では、私が依頼した販売業者は初めから販売活動をほとんどせず、業者間での転売を狙っていたようなのです」

 悪質な営業行為に思えるが、このような“囲い込み”はどうすれば回避できるのか。

「買い手が見つかりやすい好立地の物件なら、1社と契約する“専任媒介”ではなく複数の仲介業者に買い手を探してもらう“一般媒介”契約を選ぶことです。業者が競い合って売る状況を作ることができます。立地があまりよくなければ、地域密着で信用が第一の地元の不動産業者を選ぶのが得策です。彼らがもしあざといことをすれば、地域マーケットの信用を無くすことになるので、売り手側に立った仲介業務が期待できます」(榊氏)

※週刊ポスト2021年6月11日号

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