人生100年時代、50代や60代の壮健さが目覚ましく、その年代から一念発起し、東大入試や司法試験などの難関試験に挑戦し、見事合格する人も少なくない。彼ら/彼女たちはいったいどんな方法や心持ちで高いハードルを超えていったのか? 分野は違えど、いずれ劣らぬ難関試験を突破した“賢者たち”には、共通点があった──。
何度も何度も繰り返す
「記憶力は、工夫次第でいくつになっても補えます」と言うのは、65才で司法試験に合格した吉村哲夫さん(71才)だ。
「俳優さんは、70才を過ぎてもせりふがまったく覚えられないわけではないでしょう? 彼らは台本を繰り返し音読するなどして、せりふを頭に叩き込む。ぼくもロースクール(法科大学院)の講義は録音して3回以上聴くようにしていました」(吉村さん)
学習計画を立てる
「受験は長い道のりになるので、具体的な目標設定が必要」と言うのは、東京大学に50才で合格した安政真弓さん(59才)。
「私は3か月ごとに目標を定め、『次の3か月までに点数を10点上げる』など、少し頑張れば実現可能な目標を決めて手帳に書き、3か月後に達成できたかどうかを振り返っていました」(安政さん)
また、53才で医師になった前島貴子さん(56才)も、「学習計画を立てるために手帳は有効」と語る。
「勉強した内容を書き込み、見返すことで達成感につながります。些細なことでもいいので、今日どんな勉強をしたかを書き込むと、見返したときに、『私はこれだけやったのだから大丈夫!』と、自信が持てました。それが大きかったですね」(前島さん)