需要回復を見込んだ例は他にもある。
「ニッセイアセットマネジメントは、2020年2月、複合エンタメ施設のラウンドワンを新規に買い、同年4月中旬に7.01%まで買い増した。当時は初の緊急事態宣言下で“密”になる産業は敬遠されていましたが、収束後をいち早く見据えたのでしょう」(同前)
外資系ファンドは、現在は利用客が減少している公共交通機関の回復に期待しているようだ。
「世界最大のファンド・ブラックロックの日本法人は西武ホールディングスと京成電鉄を大量購入しました。特に京成電鉄は都心から羽田、成田への空港アクセスを担っており、コロナ収束後のインバウンド回復を見据えているのでしょう」(同前)
一方で“密”を避けられる業界の銘柄の名前も挙がった。
「みずほ銀行系のアセットマネジメントOneは、キャンプ用品メーカーのスノーピークを買っている。コロナ禍でのキャンプ需要の高まりは新しい生活様式として定着し、収束後も需要が続くと見たと考えます」(同前)
“コロナ後バブル”を見据え、プロたちはすでに動きを活発化させている。
※週刊ポスト2021年6月18・25日号