血液型占い、星座占い、姓名判断……信じる信じないにかかわらず、占いに触れたことがない人はいないだろう。そして、不安や悩みを抱える人も増えている前代未聞のコロナ禍では、新たな占いの形も生まれている。占い芸人のアポロン山崎さんが言う。
「以前から電話やメールでの鑑定はありましたが、コロナ禍になってからは需要がさらに高まっています。また、最近は『ストアーズ』や『ココナラ』といった、個人が“スキル”を販売するサイトで、占いが上位に入っているのが目立ちます」(アポロンさん・以下同)
相談内容も変化しているようだ。
「コロナ不況で業績が悪化し、倒産する企業も増えているため、『この会社に勤めていても大丈夫ですか?』といった相談や、経営者なら『会社を続けるべきか、それとも一旦、閉めた方がいいか』といった相談が多くなりました」
客層にも変化が見られる。
「男性の依頼が増え、コロナ禍以前と比べると1.5倍は増えました。職種でいえば、客室乗務員や旅行業界の人からの相談も増えています。安定した職についたはずなのに、新型コロナで苦境に立たされたことから、『今後、私はどうすればいいのでしょうか?』と相談されることが多い」
かつては、「私はどんな仕事が向いていますか?」といった、自分の能力を確認するような相談が中心だったというが、不安定なコロナ禍では、「いまの生活がいつまで続けられますか?」といった、「安定」を不安視する声が強くなっているという。
また、外出自粛で人と会う機会が減ったことで、占い師を「話し相手」として求める人も増えた。四柱推命を得意とする占い師の遊季平ミケさんが言う。
「いままでなら、職場や女子会でおしゃべりしていたのに、それができず、占い師に愚痴や不平不満を吐き出して発散する人も少なくありません。これだけITが発達しても、占いは対面を希望する人が途切れることはありません」