長引くコロナ禍で、ライフスタイルも変化している。在宅ワークとなった夫が、これまで以上に家事をするようになったというケースも多いという。家事を押し付けられていた妻にとってはありがたいことだが、コロナ禍が終わった後も、家事の分担を続けることが、よりよい夫婦関係を築くカギとなるはずだ。
夫の家事を持続させるコツについて、フリーライターの入江一さん(53才)が教えてくれた。
入江さんは会社員の妻と結婚後、現在13才の長男の誕生を機に“主夫”となった。朝、子供たちを学校へ送り出したら、洗濯や掃除をして、買い物に出かける。ライターの仕事は在宅で行うが、長女が学童クラブから帰ってくる夕方までに終わらせることをルールにしている。
「そのぶん、妻が稼いでいるので……」と話す入江さんだが、買い物では10円でも安い品を探し求め、家計をサポートしながら楽しみを見出している。
「どこのスーパーに行けば何が安くて、これを買うならここがいい、といったお得情報はすべて頭に入っています。いい買い物ができたときはゲームを攻略したようで楽しい」(入江さん・以下同)
夫を家事に夢中にさせる秘訣は、「ほめること」だと入江さんは言う。
「男は単純ですから、『上手にできた』『おいしい』とおだてられると、ほいほいと手伝い、クセになるはずです。また、得手不得手を見極めるのも大事。うちの妻は料理が得意で洗濯と掃除が苦手なので、洗濯と掃除は私がやって、料理は妻に任せることが多い」
家事のシェアは、単なる役割分担ではない。「家計のシェア」へつながる可能性もある。ファイナンシャルプランナーで節約アドバイザーの丸山晴美さんが言う。
「家事への参加は、家計への参加です。たとえば、夫が買い物をして料理をするようになれば、食材の価格や残り物で何を作るかといったことまで考えるようになります。最初は余計なコストがかかるかもしれませんが、目指すべきは発展的なゴール。家事が分担できれば、妻がパートに出る時間の余裕もできて、収入増加も期待できます」