キャリア

コロナ禍で変化する定年後の仕事 「感情労働型営業職」に厳しい時代に

 また同じ技能を持っていても、就く職種によって「稼げる人」「稼げない人」の“線引き”も起きている。

「顕著なのが『運転手』です。コロナで宅配需要が増大して長距離トラックドライバーは引く手数多で高給ですが、観光バスやタクシーの運転手は客が減少して苦境です。ワクチン接種が進んでも、すぐには客足は戻らないと言われており、これからは活躍できる業界の見極めも重要になる」(溝上氏)

 自身の労働条件が適切かを検証する必要もある。知っておきたいのが、企業が正社員と非正規社員の待遇差の是正を求められている「同一労働同一賃金」制度だ。

 今年4月から、前年の大企業に続いて中小企業にも適用された。2020年には日本郵便の手当や休暇をめぐり、最高裁が正社員と非正規社員の待遇差は「不合理」とする判決を出している。年金博士こと社会保険労務士・北村庄吾氏が解説する。

「今はシニアが非正規として働く場合、正社員との待遇差に不満があれば、企業側と協議できる時代です。過去に争われたケースを参考にしながら、自分の待遇が適切かをチェックしてみるのもいいでしょう。まずは都道府県の労働局に相談してほしい」

 これからはワクチン接種後の新しい働き方に適応していく必要がある。

※週刊ポスト2021年7月2日号

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