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「小室さん文書」で注目の録音テープ、裁判で有効になるケースは?

 そこで原則としては、裁判所は当事者が提出する証拠は事件と無関係なものは別として、基本的にすべて受け入れてから証拠調べを行ない、あとは信用できるかどうか、つまり、証明力の問題としてとらえています。証拠価値の有無は判断されますが、証拠として調べてもらえないことはなく、隠し録りした録音データも、ひとつの証拠として調べてもらえます。

 ただし、著しく反社会的手段を使い、無理やり話させるなど、録音自体が精神的・肉体的自由を拘束し、人権を侵害する方法でされた場合には、証拠も違法と評価され、証拠調べの対象になりません。

 そのようなことがなければ、大丈夫です。もっとも、録音の一部をツギハギすると、都合よく編集したと判断されて信用されません。全体を通して録音し、再現することも必要になるでしょう。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。

※週刊ポスト2021年7月2日号

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