新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済対策として国民全員に10万円が給付された「特別定額給付金」の実施から約1年。終わりの見えないコロナ禍で厳しい生活を強いられるなか、残念ながら再度の「特別定額給付金」については実施される見通しはない。
政府による大規模な経済支援は、5月28日に明かされた「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」が最後となりそうだ。最大30万円を支給する制度で、各自治体で7月以降から受け付け開始予定となっている。
ただし、対象となるのはこれまでに「緊急小口資金」など政府の特例貸付制度を利用して限度額に達している世帯や、再貸し付けを受けられなかった世帯で、ハローワークへの相談や生活保護を申請していることなどが条件となる。ファイナンシャルプランナーの横川由理さんは言う。
「今後、ワクチン接種によってコロナ禍が収束に向かうのであれば、新たな支援制度が増設される可能性は低いでしょう。もし、生活に困っていて、現行の制度を利用したいと考えているのであれば、貯蓄の余裕があるうちに動くべきです。貯蓄が尽きてからでは、仮に生活保護を受けるとしても、申請から審査に通るまでのタイムラグが生じ、消費者金融などに手を伸ばすしかなくなってしまう。
また、本来なら職業訓練を受けて安定した職に就ける可能性があっても、目の前の生活費を稼ぐことが最優先になるとアルバイト生活になり、どんどん問題が先送りとなってしまいます」
国や自治体が設けている制度には、うまく利用しなければもったいない制度がいくつもある。コロナ禍だけの特別な制度のほか、意外と知られていないが、いまこそ活用したい制度を表にまとめた。
自分の置かれた状況と照らし合わせ、活用してほしい。
※女性セブン2021年7月1・8日号