匿名掲示板「2ちゃんねる」開設者で「ニコニコ動画」の元管理人として知られる“ひろゆき”こと西村博之氏。YouTubeでは、スパチャ(投げ銭システム)で寄せられた視聴者の悩みに回答していくスタイルで視聴者を増やしている。『ABEMA Prime』(AbemaTV)などの討論番組に出演した際に相手を次々と論破していくことから、「論破王」としても人気を博している。
その一方で厄介なことに、ひろゆき氏の論破スタイルに憧れて“間違った方向”にかぶれてしまい、「相手のマウントを取る」ことに喜びを見出す痛い学生たちも増えているという。
関西の私立大学に通う男性・Aさん(21歳)は、自身が所属するゼミの中で「論破」にかぶれた学生がいることに不満を募らせている。
「僕は、欧米圏で発展したコミュニケーション論を専門とする先生のゼミに所属しています。ゼミの中でよくグループディスカッションやディベートをする機会があるですが、同じゼミの中に、ひろゆきさんのYouTubeを見て変にかぶれてしまった学生が何人かいるんです。ひろゆきさんの口調を真似した感じで、『はい論破!』『嘘つくのやめてもらえます? エビデンスないですよね?』『それってあなたの感想ですよね?』などと言い始めて、建設的なディスカッションができなくなる。正直、間違った方向にかぶれていると思うんですよね……」(Aさん)
ひろゆき氏に限らず、人気YouTuberの中には、論破するスタイルで人気を博している者が少なくない。そうした影響もあってか、特に学生たちの間で「論破」自体に憧れる者が増えているのではないか、とAさんは分析する。
「周りでも『論破がかっこいい』と思っている人が増えている印象ですね。でも実際は(必要ならば論破もできる)ひろゆきさんがかっこいいのであって、コミュニケーションにおいてなんでもかんでも論破していたら、タダの嫌な奴ですよ。TwitterやYahoo!ニュースのコメント欄を見ていても、しばしば論破自体が目的化しているような投稿が目立ちます。対話からどんどんかけ離れていってると思いますね」(Aさん)