キャリア

時給5000円もある家庭教師バイト 経験者たちが直面した苦労と厄介事

 Aさんが教えた生徒たちは、別に学習塾にも通っていたため、その塾の方針に沿った解き方を教えるように心がけたが、塾に通った経験がなかったAさんは、大手塾が推奨する解法に困惑したこともあったという。

「私は子どもの頃に公文式をやっていて、小学3年生くらいで2次方程式まで履修していました。だから中学受験の時の算数も、いわゆる数学的な考え方で乗り切りました。でも、大手塾のなかには、“算数は方程式で解いてはいけない”という方針のところがあり、それに替わるのが“面積図”とされていました。家庭教師で教える段になって、初めてこの面積図というものを知りました」(Aさん)

 通常の学習指導よりも受験対策の指導は責任が重く、クビになる可能性は常にあったというAさん。「プレッシャーはありましたが、生徒が合格するとやはり嬉しいので、いい経験でした」とやりがいを語る。

東大医学部生が巻き込まれた厄介事

 難関私立男子高を経て、東京大学医学部卒の40代男性・Bさんは、大学時代に医学部受験対策の家庭教師を経験した。すべて知人経由の紹介で、センター試験対策も含め全教科を教えた。

 時給は交渉次第だったが、「最低5000円から」だったという。家庭によっては7000円払ってくれたというから驚きだが、その差はどこから生まれるのか。

「医学部を受ける子の家庭は、結構ピンきりで、国立しか受験させられないという家もあれば、私立のどこでもいいからとにかく合格させてくれ、という家庭もあった。教育にかけるお金が、家によってかなり幅があったように思います。時給7000円はさすがに1件だけですが、その家は個人の開業医で、明らかにお金が余っている感じでした。ただ、いずれにせよ個人契約のほうが時給はいいですし、ボーナスをもらえることもある。金額面だけを求めるなら、個人契約がいいでしょうね」(Bさん)

 とはいえ、個人契約もメリットばかりではない。何かトラブルや厄介事があった時は、すべて自力で解決しなくてはならない。

「僕の場合、ある女子高生の親が、『娘と結婚してくれないか』とか言い出して、とても面倒なことになりました(笑)。また、受験に必要なさまざまな情報を自分で調べなくてはいけませんから、やはり手間もかかります」(Bさん)

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