さらに、父親の生前にすべての財産を把握できなかったことで、森永さんが最も不安だったと語るのが「借金」だ。
遺産は預貯金や不動産などの「正の遺産」だけでなく、借入金や連帯保証などの「負の遺産」があり、負の遺産を相続したら、もちろん遺族が返済しなくてはならない。
「父の場合は、ふたを開けてみるまで借金があるかどうかわかりませんでした。仮に、相続放棄できない状況になってから、悪徳業者が『実はお父さんにお金を貸していました。返してください』と言ってきたら、借金を全部かぶるしかありません。借金の催促はどこからもありませんでしたが、父の死後しばらくは戦々恐々としていました」
この苦労から、森永さんは終活の重要性を思い知った。そして、その経験を生かし、自身の終活に反映させている。
「特に財産管理の件は、母が生きているうちに家族で話をしておくべきだったと感じています。私はその失敗を繰り返さないよう、子供のために口座リストを作成しました」
※女性セブン2021年7月15日号