人生100年時代を迎え、新たな趣味や学びに挑戦する人が増えている。『趣味なび』が30~59才の男女1204名を対象に行ったインターネット調査(2019年)によると、30~50代の女性のうち「趣味がある人」は「ない人」の2倍も生きがいを感じる傾向が高いという。趣味を謳歌しているという女優の森口瑤子(54才)に話を聞いた。
シリアスからコミカルなものまで、幅広い役柄を演じる森口の楽しみは、宝塚観劇だ。
「45才の頃、最初はおつきあいで観に行ったんですが、幕が上がり、一瞬で魅了されました。出演者の2人が静かに踊るシーンでは、その美しさやエネルギーの強さに圧倒され、気がつけば夢中で観ていました」(森口・以下同)
その後、三島由紀夫原作の『春の雪』を観て、さらにのめり込んでいく。
「主人公の心情の変化が繊細に表現されていて、『こんな宝塚の舞台もあるのか!』と完全にハマり、それ以降、ほとんどの公演に行くようになりました。好きな作品は10回以上通ったこともあります。
宝塚歌劇の演目は、少女漫画のような非現実的な設定も多いのですが、それを高い技術で演じきり、私たちのハートをわし掴みにするタカラジェンヌさん。その質の高さは、日本が誇る総合芸術として、世界に発信できるものだと思います。
宝塚歌劇にハマってから、面白いことに、それまで以上にミュージカルやバレエもたくさん観るようになって、知らなかった新しい扉が開いた感じですね」
まったく違う職種の人たちと仲良くなる
それまでは芝居を見に行っても、仕事モードになっていた森口が、宝塚は純粋に一個人として楽しめるという。
「職業を離れて別世界に行ける空間で、癒しでもあり、刺激でもあります」