スーパーやコンビニでのレジ袋が有料化されてから1年が経った。エコバッグを持ち歩くようになったという人も多いのではないだろうか。また、環境問題に関心が高い人の中には、飲食店などで割り箸を使わないよう普段から「マイ箸」を持ち歩く人もいる。では、割り箸を使うのはエコの観点からどこまで「悪いこと」なのだろうか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が考察する。
* * *
最近、外食をしていると「マイ箸」を持参して使っている人をよく見かけるようになりました。その考え方については素晴らしいことだと思いますが、私はとにかく極度の面倒くさがり屋なので、箸を持ち歩くのはもとより、自宅で箸を毎食4本(2人分)洗うのさえ面倒だと感じてしまいます。
そうしたこともあって私は、この20年程、自宅でも割り箸を使い続けています。主に使うのは100膳280円ほどの中国製の竹の箸です。時々50膳58円とかの木製の箸などを使うこともあります。
あるサイトでは、割り箸は日本の木材の使用率の1%以下で、さらに97%は海外(ほとんど中国)から輸入されたものだと説明されています。しかも日本では、割り箸を作る目的で伐採される木はなく、端材や残材、間伐材などが使用されていると言います。そうした中で、多くの国民がマイ箸を使うようになったとして、それがどこまでエコにつながるのか。正直、疑問に思います。
割り箸の多くは飲食店、コンビニ、持ち帰り弁当店、スーパーの総菜購入者などに対して無料で与えられるものです。こうした「ごく当たり前の庶民の日常」に対し、「お前らのせいで環境が破壊される! CO2排出に対処できない!」などと言われても、割り箸ばかりがなぜそこまで悪者扱いされるのだろうか……、と考えてしまうのです。
レジ袋もプラスプーンも「象徴的に」悪者にされている
前述した通り、私は毎食、妻と2人で280円100膳の竹製の割り箸を使って食事をしています。1日に2~3回食事をするので、3週間に1回程度、箸を買うことになります。だいたい年間で5000円弱の出費。個人的には、箸を洗う面倒臭さと天秤にかけて、このぐらいの出費であれば許容範囲だと思っています。
しかも、私が使っているのは中国から輸入した竹製の割り箸です。竹というものは、案外厄介な存在です。現在、佐賀県唐津市に住んでいますが、農家に行くと繁殖力の強い竹がにょきにょきと育ちまくり、高齢の農業従事者はボランティアを募って竹を伐採し、その後焼く、といった処理をしています。森林でも竹は、適度に伐採しなければ過密に繁茂するようになり、育ちが悪くなると言われます。