トレンド

日本では7種類!「鉄道の信号」を知れば電車に乗るのがもっと楽しくなる

鉄道の信号にはどんな意味がある?(筆者撮影)

鉄道の信号にはどんな意味がある?(筆者撮影)

 駅のホームや踏切などで、何気なく目にしている「鉄道の信号機」。その信号は道路交通用のものとは意味が異なり、種類も豊富で一部の鉄道会社にしか存在しないものもある。それらの意味を知っておくと、電車に乗るのがもっと楽しくなること請け合いだ。鉄道信号の意外な成り立ちや規則について、鉄道ジャーナリストの梅原淳さんが解説してくれた。

 * * *
 信号は、鉄道や車などが前に進んで良いかどうか教えてくれるものである事は誰もが知っている。だが、道路交通用と鉄道用とで信号の概念はそれぞれ異なり、その呼び名も若干異なる。単に前方への進入の可否しか示さない道路交通用の信号の概念を「ルートシグナル」と言い、前方への進入の可否に加えて、制限速度やどこに進むかといった条件も示す鉄道用の信号の概念を「スピードシグナル」という。

 筆者は子供の頃、よく電車の運転室の後ろに立ち、運転士が電車を操る様子を窓越しに眺めていたものだ。ある時、線路脇の信号機が黄色い明かりを2つ点灯させていることに気付いた。黄色1灯なら道路交通用の信号と同じで「注意信号」であるとは知っていたが、黄色2灯とは何だろうか。子供時分の筆者は想像力を膨らませ、「もっと注意しろという意味に違いない。一旦停止して左右を確認してから進むのでは」と考えた。

 しかし、筆者を乗せた列車が信号機に近づくと、運転士は列車を停止せずそのまま走らせた。不思議に思い、帰宅後すぐに鉄道図鑑を開いてみた。黄色が2つ点灯した時は「警戒信号」で、時速25km以下まで速度を落として進まなければならないが、特に停止する必要はないことが分かった。警戒信号を過ぎた後、ごく近い場所に線路の行き止まりか、赤く点灯した停止を示す信号が現れるため、警戒信号では文字どおり「警戒」せよという意味が込められているのだという。

 また、黄色が1つ点灯している時は確かに「注意信号」ではあるが、こちらも道路交通用の信号とは意味が異なる。進んでは良いものの、時速45km以下に速度を落とすように定められていたのだ。ちなみに図鑑によると、黄色だと思っていた鉄道の信号は正確には橙黄色(とうこうしょく)と言って、赤みがかった黄色なのだという。

 なお、筆者が子供であった1970年代には、注意信号の制限速度は時速45km以下であったが、今日では電車などブレーキがよく効く車両に限っては時速55km以下に制限が緩和されている。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。