ネットオークションやフリマアプリに無数の商品が出品されている今の時代。一見、ボロボロのがらくたに見えても、その道のマニアにとっては垂涎の一品だというケースも少なくない。特に、近年の1980年代ブームによって、昭和のアイテムは高値がつく傾向にあるという。リサイクルアドバイザーの泉澤義明さんが説明する。
「昭和の家具、家電、食器、おもちゃなどは、舞台セットや小道具として使うために、テレビ局や映画会社が購入している場合もあります。なかでも、リカちゃん人形は、いまは特に古いモデルが人気を集めていますし、プラモデルも未開封のものはもちろん、組み立て・塗装してあるものでも、完成度が高ければ需要はあります」
場合によっては、当時は1つ100円前後だったお菓子のおまけが1万6000円、ブリキのおもちゃが60万円と、信じられないほどの高値で売れることも。
「当時から人気だったファミコンだけでなく、いまではマニアックなセガサターンやゲームギアといったレトロゲーム機も人気を集めています」(クオーレ代表の竹本泰志さん)
絶版になっている書籍や雑誌、写真集なども、コレクションや資料としての価値は高い。
ただし、「ページの間にお札を挟んでいるのに気づかずに売ってしまった」などということにならないように、手放す前に念入りに調べるべきだ。それがいまは使えない古銭だった場合はなおさら、通貨として以上の価値があるからだ。古銭は高額紙幣だけに限らず、コインも高い価値がある。
「昔のお金の中でも、五十円玉などの穴がずれている『エラーコイン』は、1枚の五十円玉が数十万円に化けます。また、古い『ギザ十』も、特に発行枚数が少ない昭和26、32~33年のものは数万円で取引されています」(泉澤さん)
さらに、本物のお金である必要すらないかもしれない。竹本さんによれば、古銭なら「レプリカ」でも、数万円の価値がある場合も。
「実際に、ある家の屋根裏から出てきた小判のレプリカを数万円で買い取ったことがあります。その家では、納戸に鉄道模型やタミヤのプラモデルなどもあり、それらはまとめて5万円ほどになりました。また、使われていなかった古い置時計が実はビンテージもので、3万円ほどで買い取ったこともあります」(竹本さん)