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ノジマ社長が打ち出した「リアル店舗追求」「80歳まで働ける制度」の狙い

利用者目線に立った販売が強みという(現在はマスク着用で接客)

利用者目線に立った販売が強みという(現在はマスク着用で接客)

販売スタッフは全員、自社従業員

──ノジマでは店頭の販売スタッフはメーカーからの派遣でなく、自社スタッフを置いていますね。

野島:他社さんの大型店では、半数以上がメーカーからの派遣スタッフだと思いますが、当社は100%自前主義です。最大の目的はメーカーに忖度せず、お客様が望む商品情報を提供したいと考えるからです。

 オーディオ機器ひとつとっても、お客様の音楽の好みが歌謡曲なのかクラシックなのか、あるいはジャズなのかロックなのかによって適したオーディオ機器をお勧めしたほうがいい。そのほうがお客様の満足度は上がりますし、良い口コミが広がっていく。

 もう1点、他社と違うのは店舗の大型化を志向していないことです。売り場面積が広すぎると、1人のスタッフが責任を持って最後までお客様の要望に応えることができなくなってしまいます。そのためコンパクトな店のほうが望ましいと考えています。

──コロナ禍によって外出機会が減っている状況は、リアル店舗にとって逆風では。

野島:省力化や事業スピードを速めるためにDX(デジタルトランスフォーメーション)も必要です。

 実は、まだPOS(販売時点情報管理)という名称さえなかった1982年から、当社ではPOSシステムを導入していました。オンライン販売も業界では一番早く、2004年頃にはネット通販の売上だけで100億円を超えていました。

──ネットセールスは競争が激しくなっています。

野島:オンライン事業を推進すれば、リアル店舗にマイナスにはたらくのではないかとの懸念は常にありますし、ポイント還元などで年々価格競争が激しくなっているので、他社ほどは注力しなくなりました。

 やはり我々の最大の強みは、自社スタッフによるきめ細かなコンサルティング販売です。店頭で商品を比較しながらいいものを選びたいというニーズに照らして、個々人に最も合致した商品をお勧めすることを大事にしています。

 社長に就いて以降、私は一貫して「デジタルGS4」の普及を掲げてきました。Gはグッズ(商品)、4つのSとはソフト、サポート、サービス、ソリューションです。商品に4つのSを掛け合わせることで、お客様の生活を豊かにできると考えています。それを実現するには、やはりリアル店舗での接客が重要だと考えます。

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