堀切店の店主もこう話す。
「自分としては、何か特別新しい試みをやったわけではないんですよ。いつも通り営業していたら、期せずして周りがSNSで盛り上がってくれたというか。
最近は同好会の人やラーショ部の人が来て、オリジナルのシールをくれたりするんです。とくにコロナに入ってからファンがますます増えて、朝店開けたら行列ができてたりするもんだから、気が抜けなくなっちゃいましたよ(笑)」
時短も禁酒も影響なし
ラーメンショップのフランチャイズ店は関東圏を中心に北海道から九州まで約300店舗あるといわれているが、どこまでが直系なのか、それさえも曖昧だ。
「本部からのお叱りがないからなのか、ラーメンショップを名乗ったままフランチャイズから外れて独立しちゃったり、店名に『ニュー』を付けて独自に店舗展開したり、屋号を勝手に変えて営業する店もある。そんな“亜流”が全国に100店舗以上あるんじゃないかな」(刈部氏)
それでも店が成立するのは、SNS上の話題性だけではない、人気の“土台”があるからだ。
「2000年以降、食材に非常にこだわった魚介系のラーメン店が注目を集めるようになり、テレビなどメディアで盛んに取り上げられました。しかし、凝りに凝ったラーメンが高額化していくなか、庶民的なラーメンを求める層も多かった。肩肘張らずに食べたいというニーズに、ラーメンショップは図らずも応えていた」(同前)
※週刊ポスト2021年8月27日・9月3日号