大学時代の夏休みに“軍団”に加入した男性
大学時代の夏休みにパチスロにハマり、そこから数か月で“セミプロ”のような生活をするようになった猛者もいる。現在、出版社に勤務する大森さん(仮名、40代男性)は、20年近く前の夏休みにパチスロデビューしたという。
「大学の友人たちが“軍団”みたいな感じで、4~5人でいつもパチスロを打っていたんです。夏休みのある日に、そんな友人に誘われて、パチスロを打ち始めたんですが、その秋くらいには、まさにセミプロみたいな感じで毎日打つようになっていました」(大森さん)
20年ほど前のパチスロ店は、いまとはかなり状況が異なっていた。
「当時は、“イベント”もまだあって、ホールによっては開店時から、特定の台に高設定確定の札を刺しているところもありました。そういう“確実に勝てそうなイベント”を狙って、数人で朝から打ちに行くんです。人数が多ければ、その分高設定台を確保できる確率が上がるわけで、高設定台を確保したら、誰かがそれを打ち、ほかの仲間は良さそうな台が空くまで、店の中をウロウロしている。それで勝った分はみんなで山分けという感じでした。
私は一度も打ったことのない完全な初心者だったので、最初は仲間の指示通りに打っていました。それで、高設定台が確保できたときなどは、打たせてもらって、“出す喜び”を味わいながら、ちょっとずつ覚えていった。真夏の暑い時期に、涼しいホールの中で、パチスロを打ちまくるのは楽しい時間でした」(大森さん)
しかし、いい時期はそう長く続かなかったようだ。
「軍団打ちをしていると、他のお客さんからすごく嫌われる。若い客がワーワー言いながら打っているのも鬱陶しいし、いつも同じ軍団の連中が高設定台を打っているというのも、他のお客さんにしてみれば気持ちよくない。ちょくちょく他の常連さんに絡まれることがあって、それで友人たちもちょっとずつ軍団を抜けていきました。僕も結局、そのホールには行かなくなり、別のホールに1人で通って、細々とパチスロを楽しむようになりました。
軍団だったころは、勝つことが多かったけど、いまは全然勝てない。“イベント”も禁止されているし、出玉性能が高い機種もなくなってしまった。20年前のようには勝てません」(大森さん)
色々なパターンがあるが、今も昔も夏休みにパチンコ・パチスロデビューをする若者は多い。時間があるがゆえに、ハマりすぎて身を滅ぼすことのないことよう、注意してほしい。