史上最多となる27個の金メダルを獲得し、総メダル数58個という記録を打ち出した東京五輪の日本選手団。その一方で、日本の最先端技術や、便利な製品にも注目が集まっていた。
「空港に着いた瞬間から、感動の連続でした。移動中のバスの車窓からは、サムライが住んでいそうな古い家屋やアニメの未来世界のような高層マンションが見え、交差点ではわれ先にとクラクションを鳴らす車がなく、誰もが道を譲り合っていて驚きました。コロナ禍での日本滞在は、外国人への反感の高まりなど不安なこともありましたが、五輪の期間中に出会ったあらゆる日本人がフレンドリーに接してくれたことに感謝しています。コロナ禍が過ぎ去ったら、必ずまた日本に来たいです」
声を弾ませてそう語るのは、東京五輪に参加するために来日したトリニダード・トバゴ選手団のマリ・トゥサンさん。1年遅れの開催となった今年、7月23日に開会した東京五輪が8月8日に閉会し、東京パラリンピックが8月24日に開会。9月5日まで開催される。新型コロナウイルスによるパンデミックの渦中という前代未聞の時期の五輪開催に、世間の声はそれぞれの立場から真っ二つに分かれた。
だが東京五輪が終わったいま、来日した海外の選手やスタッフ、関係者などから上がっているのは、日本を称賛する多くの声だ。いま一度、そうした声に耳を傾けてみよう。
ドラえもんの世界のような最新技術とオリジナリティーに驚嘆
「試合会場の環境は、いままでの中でいちばんでした」
そう振り返るのは、ウエイトリフティング男子61kg級に出場した台湾の高展宏選手(27才)。高選手の言葉が示すように、東京五輪ではさまざまな企業が最新の技術を投入し、スムーズな競技の進行に貢献した。