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平等が招く日本社会の不平等 消費税が格差拡大につながるカラクリ

事業者に有利な「簡易課税制度」

 しかも消費税は、法人や個人事業主には、結果的に納税義務が免除されるケースがある。その影響で消費者が支払った消費税は、実はその半分以下しか国に納められていないのが現状だという。

「事業者の消費税の場合、仕入れ時に払った消費税と、それを売った際に受け取った消費税の差額を納税するのが原則です。つまり、支払った消費税が30万円で、受け取った消費税が100万円なら差し引き70万円を納めれば良いということになります。

 ただし、中小の事業者に対しては『簡易課税制度』というものがあります。課税売上高が5000万円以下の事業者には、仕入れにかかった消費税を計算せず、“みなし”で計上しても良いという制度です。この制度は、業種ごとに定められた一定の『みなし仕入率』が適用され、例えば小売業では課税売上高の80%が『みなし仕入れ率』とすることが認められています。そのため、実際の仕入率よりみなし仕入率の方が高くなることで、消費者が事業者に支払った消費税は一部納税されていないのが現状です。

 例えば、小売業で3000万円の課税売上高がある場合、受け取った消費税は300万円となりますが、このうちの80%(240万円)は仕入れの時に消費税として支払ったとみなされるため、実際に国に納めるのは300万円のうちの20%、つまり60万円で良い。仮に実際に仕入れ時に支払った消費税が280万円だった場合は、300万円-280万円で20万円だけ払えば良く、事業者は有利な方を選択できるのです。このような制度がある限り、消費税として国に入る総額が本来徴収すべき額よりも少なくなってしまうのは当然でしょう」

貧困から抜け出せない非正規労働者

 長引くコロナ禍も重なり、いくら働いても収入が増えず、ずっと生活が苦しいままという人は少なくない。この原因について池田氏が指摘する。

「生活困窮者の中でも、わずかながら収入があることで生活保護を受給出来ない人達は、社会的な手当ても皆無に等しく最も割を食っています。こうなってしまった大きな原因は、一部の人達だけが儲かるようなシステムが出来上がってしまったことにあり、その最たる例が非正規雇用の増加です。

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