吉田みく「誰にだって言い分があります」

娘の「お小遣いルール崩壊」に悩む母 通販サイト「送料無料」の落とし穴

コロナ禍で買い物に行けなくなり…(イメージ)

コロナ禍で買い物に行けなくなり…(イメージ)

 子供の金銭感覚を養う目的から、「お小遣い制」を採用する家庭は多い。毎月一定の金額を子供に渡し、その範囲内でやりくりさせ買い物や貯金を促すパターンから、家事の手伝いなどの対価として渡すパターンなど、そのやり方はさまざまだろう。しかし、長引くコロナ禍はそうした家庭内のルールにも影響を及ぼしているようだ。中学2年生の娘の「お小遣いルール」が崩壊して悩んでいる40歳の母親に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

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 新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、私たちの生活により身近な存在となってきたネット通販。日本通信販売協会の調査によると、2020年度の通販市場全体の売上高は前年比20.1%増(金額ベースでは前年比1兆7800億円増)の10兆6300億円だった(速報値)。毎年右肩上がりの伸びを見せていたが、コロナ禍の購入手段として広く使われたことから、直近10年の平均成長率8.7%を大幅に上回った。

 しかし一方、「手軽で便利なネット通販ではつい買い過ぎてしまう」という声もある。各サイトでは購買意欲をかき立てるため、「割引クーポン」を発行したり、「一定額以上で送料無料」などのサービスを行っている場合が多い。そうしたキャンペーンに振り回されないためには、利用する際に自分の中でルールを決める必要がありそうだ。

 都内在住の保育士、安達里香さん(仮名・40歳)は、中学2年生の娘の「お小遣いルール」について悩んでいた。安達さんは夫と娘の3人暮らしである。

「娘には毎月2000円のお小遣いを渡しています。本当は一緒にショッピングモールへ足を運んで買い物を楽しみたいところですが、新型コロナの変異株が心配なので自粛中です。そこで娘が興味を持ち始めたのが通販サイトの利用でした」(安達さん、以下同)

 安達家のルールでは、ファッション小物などはお小遣いの範囲で購入することとなっている。大体、500〜1000円程度のものが多いそうだ。学習用品や必要最低限の洋服などは家計から出し、お小遣いは使わせていない。高価なものを購入する場合はお小遣いを貯めるよう、普段から伝えてきているそうだ。

 通販サイトの利用にあたり、「店舗への支払いは母のクレジットカードで行い、娘は母に購入した分の現金を渡す」ことを約束事にしたという。しかし、利用を重ねるにつれ、安達母娘はある問題が気になり始めた。それは「送料問題」だった。

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