クラスの皆が持っているから欲しい……子供がそうした理由で高価なアイテムを欲しがるケースは多い。高校生の娘に高額な最新型スマートフォンをせがまれ困ったという40代母に、フリーライターの吉田みく氏が聞いた。
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「世間の親御さんはどのように対応しているんでしょうか。頭が痛いです」──都内在住のパート主婦、滝口美佐江さん(仮名・47歳)は、16歳の娘とiPhoneの購入を巡って言い争いになったと語る。
女子高生の間では、スマートフォンのなかでもiPhoneが特に人気だ。スマホなどデジタル端末の市場調査を手がけるMMD研究所によると、アンケートに答えた女子高校生(2600人)の84.9%がiPhoneを利用していることが分かった(2018年調査)。種類豊富なケースの展開、搭載されているカメラの性能が良いなどが人気の理由という。
しかし、iPhoneを選ぶ理由は他にもある。それは、“皆が持っているから”である。特に学生時代は友人と同じものを持つことで結束が強まったと思う傾向が強いようだ。
「高校入学祝いにスマートフォンデビューした娘。『お母さんの古いiPhoneでいいよ!』と言われ、私が以前使っていたものを渡しました。トータルで4年くらい使っていたお古ですが、その後、娘が『電池の持ちが悪い』と言ってきたんです」(滝口さん、以下同)
使い勝手の悪いスマホを持たせ続けるのは可哀そうだと思った滝口さんは、娘とスマホの買い換えについて意見を交わした。そこで、認識の違いで衝突してしまったのだ。